『生贄の女 ムフタール』
— 屈辱の日々を乗り越えて ムフタール・マーイー ソフトバンククリエイティブ株式会社/2006.9 昨年の10月パキスタンで、15歳の少女マララさんが、 学校からの帰りにタリバンから銃撃される、という事件があった。 (幸い一命を取りとめ、英国で治療を受けていたが、 今年2月、頭蓋骨修復と聴力回復の手術が無事成功した) 彼女はブログで女性の教育の権利を訴えていた。...
View Article『母が重くてたまらない』
— 墓守娘の嘆き 信田さよ子 春秋社/2008.4 (初出 『春秋』2006.10月号~2007年10月号に掲載、加筆訂正) ざくざくと読む。 対象とされている年齢層は、団塊世代とその娘たち (問題は世代を超えてあることも明らかだけれど)。 この母と娘は、「一卵性母娘(おやこ)」などとも呼ばれた。 母は娘に自分の夢を託し、娘はそれに答える。 元気な母が、渾身のエネルギーを(夫ではなく)娘に注ぐ結果、...
View Article『ザ・フェミニズム』
上野千鶴子・小倉千加子 筑摩書房/2002.3 フェミニズムはどこへ行ったのか? フェミニズムは女に何をもたらしたのか? そもそもフェミニズムってなんだったのか? というようなことがテーマ。 最近家族の問題を考え続けているので、このあたりでもう一度、 フェミニズムを押さえておかなきゃいけないかな、と思ったのだ。 しかし関西弁の対談て、漫才になるのね。 前半は公開討論なので、二人のサービス精神も全開。...
View Article『セックス神話解体新書』
小倉千加子 学陽書房/1988 ちくま文庫/1995 本棚をあさっていたら小倉さんの本が出てきた。 私が持っていたのはちくま文庫2004年11月の第八刷。 ほとんど記憶にないんだけれど、読んだんだっけ? この本は、いかにセクシュアリティーが作られたものであるのかを、 あらゆる側面から検証したもの。 つまり、性なんて神話にすぎないのだ、と。 なかで一番印象的なのが野生児の話だ。...
View Article『彼女の「正しい」名前とは何か』 岡真理
『彼女の「正しい」名前とは何か』 – 第三世界フェミニズムの思想 岡真理 青土社 2000.9.18 岡さんの本は、これまで2冊ほど読んで感銘を受けていたので、 エジプトでイスラムの女性についてあれこれ考えた後だけに、 このタイミングで読むべきかな、と。 基本的には以前読んだものと同じ視座。 ただ、文体が……。 もっと噛み砕かれていたらいいのになあ。 差別の構造は高きから低きへとむかっていること...
View Article「慰安婦」「援交」「買春」
大阪市長の発言が暴言だとたたかれている。 アメリカからも抗議の声明が出た。 FBの友人I氏もここぞとばかりに市長をこきおろしていた。 当然と言えば当然のことで、もしこれが放任されるようでは、 日本はあまりに情けない国ということになるんだけれど、 でも、鬼の首をとったように市長の言説だけを責めればそれでいいのか、 という気もするのである。 私たちは、「慰安婦」という言葉が、たとえ「」をつけたとしても、...
View ArticleSaadawi
ナウル・エル・サーダウィの著作を二冊読んだ。 『イヴの隠れた顔』 1980激烈なエジプトのフェミニズム! 岡真理さんが真摯な自己洞察を思い出しながら。 付箋をつけたところを引用したいけれど、気力が出ない。 明日、もう一度借りてこようとは思っているけれど。 『カナーティルの12人の女囚たち』 1984
View ArticleVideonews.com 橋本発言弁明記者会見について
ニュース・コメンタリー (2013年05月29日) 橋下氏の声は世界に響いたのか 橋下大阪市長の特派員協会会見を読み解く 久しぶりにTwitterを覗いて、 VIDEONEWS.COM でも橋本発言を取り上げてたことを知った。 トークそのままだから相変わらず長いけど、ついしっかり視聴してしまう。 なるほど、ホンネの失言も、 弁明すればするほどタテマエの正論を言うしかなくなる見苦しさ、か。...
View Article「慰安婦」問題はどこへ行くのだろう
『橋下氏の声は世界に響いたのか 橋下大阪市長の特派員協会会見を読み解く』で、 神保さんが言うように、橋下失言をきっかけに、はからずも? この問題がお茶の間ネタになったのは良いこと、なんだろうとは思う。 でも、ここに至る伏流のようなものが確かにあって、 それに情けなさと憤りの両方を感じていた。 でも今日は、そういう伏流に正面から反論しているブログを見つけたので、 少し気持ちが明るい。...
View Article『イヴの隠れた顔』
『イブの隠れた顔』アラブ世界の女たち ナウル・エル・サーダウィ/村上真弓・訳 未来社1988.3(1977 カイロ) 長い英語版への序文の後、導入部で、6歳の頃の記憶が語られる。 自らに受けた「女子割礼」女性器切除の記憶である。 女性器切除は、父権制社会の女性の性と肉体に対する管理と支配の上で、 他に類を見ないほどの、痛ましい、 許しがたい悪しき慣習ではあるけれど、...
View Articleエジプトのデモと女性
今回、エジプトのデモの映像で目についたのは、 女性たちの姿が多いことだった。 同時に、デモの周辺で、女性に対する性暴力についての報告も出てきた。 一連の動きの中で、イスラム社会の女性差別と、 それについての女性たちのノーの声が多く報告されるようになった、 ということだと思う。 ・エジプト: 政権の混乱で女性への性暴力が「異常発生」 (International Business Times...
View Article『従軍慰安婦問題と日米関係、一つの提言 』 冷泉彰彦氏 【追記あり】
「慰安婦問題」についてのこの記事は、 日本の取るべき態度はまさにこれだ!と、深く頷けるものだ。 こういう視点がもっと語られるべきだし、 その意味で、もっともっと読まれるべき記事だと思う が、ツイート11、FBおすすめ18 (9/17 14:00時点)。 ・ 従軍慰安婦問題と日米関係、一つの提言 (2013.8.10) 一方、産経ニュースの9/16付けの記事は、ツイート4,228、FB6,079。...
View Articleシリア 「性のジハード」と「従軍慰安婦」 シンクロする背景
「慰安婦問題」については、別に私が言わなくても、 きちんと整理した論の積み重ねがあるんだけれど、 でも、この問題、橋下発言があったりでなかなかホットさを失わない。 また、冷泉さんの記事のように示唆に富む意見も目に留まるしで、 ついぽろぽろ反応してしまう。 先日「はてなブックマーク」をうろついていて、 冷泉さんの、8月に先立つ二本の記事を見つけたので、...
View Article「慰安婦問題」 過去と現在、加害責任主体の混同
過去と現在の切り分について、もう少し。 巷の反「慰安婦」の人たちの声をちらりと聞いてみると、 「祖先の名誉を回復し、子や孫にこの屈辱を味あわせないために、 慰安婦のウソを暴き…」というようなことを言っている。 冷泉さんが、アメリカ人には時間と加害責任主体の混同が理解不能だ、 というときの、まさに見本のような「主張」である。 「過去の悪しき日本」と「現代の友好的な日本」を、...
View Articleコソボのことと、『最愛の大地』(観てないけど)
ひきつづき、ぼんやりとコソボのことを考えている。99年、NATOの爆撃機の多くは、イタリアから飛び立っていた。私はトスカーナの田舎町で、その機影が空に飛行機雲を描いていくのを、毎日のように見ていた。身近にアルバニアの難民の子どももいた。それでも私には、コソボは遠い紛争地としか思えなかった。...
View Article慰安婦問題と朝日新聞① (8/11,21,28,9/3 追記あり)
慰安婦問題については付け加えることはもうないんだけれど、世界的にはますます問題視されているし、朝日が特集もやったので、これらをめぐって少しだけ。...
View Article『さよなら韓流』 —「哀しい関係」ゆえの渇望・・・
北原みのり 河出書房新書 2013.2 Amazon でレビューを見ると、嫌韓だと思って読んだのに違っていてがっかりした、というような人がいて(当然この人たちの評価は低い)、こういう人に読ませて(買わせて)しまったのだとしたら、タイトルの勝利 ? のように思えて少し笑える。が、韓流ブーム終焉の原因の一つに、日韓関係の冷え込みと嫌韓があるのは確かだと思う。...
View Articleスカーフとイスラム
◆『神の法 vs 人の法』- スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層内藤正典 坂口正二郎[編著]日本評論社 2007.7 イスラムと政教分離で考えを整理しながら、この本をぱらぱらと読みあさったり、以前読んだ『ユダヤ教・キリスト教・イスラームは共存できるか』の抜粋を読み直したりしてみた。それにつけても思うのは、スカーフ論争ひとつ解決できない西欧とイスラムの深い「断層」である。...
View Article『神の法 vs 人の法』
◆『神の法 vs 人の法』- スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層内藤正典 坂口正二郎[編著]日本評論社 2007.7 スカーフとイスラム...
View Article選択的夫婦別姓と同姓「合憲」判決、少子化についても少し
少し時間がたってしまったけれど、 選択的夫婦別姓を求める署名に参加もしたし、 裁判結果についてなど、少しだけ。 最高裁で争われていたのは民法の同姓規定。 結婚時の改姓は夫婦どちらの姓でもいいとされながらも、 実際は96%が夫の姓を選ぶという現実があり、 男女同権や婚姻の自由に反し違憲である、という訴えであった。 これに対して、昨年12月16日、合憲との判決が出た。...
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